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2015 年「フラッシュ暗算日本一」 〜 浅野選手とお話ししてみました

その 3. 浅野選手のおいたち 〜 浅野選手のつくり方

幼少期

浅野選手の幼少期。隣は妹。

【ma-.】ところで, 浅野君は浦河町出身でしたっけ。


【浅野】はい, そうです。住みやすい町ですよ, 何もないですけど(笑)。


【ma-.】そろばんを始めたきっかけは。


【浅野】母親が先生なので, 小学校入学と同時にやらされたという感じです。


【ma-.】そろばん以外の習い事は何かやっていましたか。


【浅野】エレクトーンを年中から小 6 までやっていました。母親はピアノとエレクトーンの先生もやっているんですよ。あと小 3 から半年くらいかな, 空手をやっていました。痛いのが理由でやめちゃいましたが(笑)。


【ma-.】空手ですか! それは初耳です。それ以外で, 何かスポーツはしてましたか。


【浅野】一応, 中学時代は軟式テニス部に所属していました。でも全く真面目にやっていませんでしたね(笑)。適当な理由を付けて休むこともしばしば, やればやるほどストレスが溜まっていたような気がします(笑)。


【ma-.】なんだか「そろばん以外は自分の肌には合いません」という感じなんでしょうかね。そろばん以外で何か夢中になったことはないんですか。


【浅野】エレキギターは夢中になりましたね。小 6 の冬, CM でよく使われている昔のハードロック音楽に目覚めてしまって, 一時は一日中ギターを練習していました。またそれをきっかけに, エレクトーンはやめました。現在は大学で軽音部に所属していてバンドをやっています。あと自分は XJAPAN の大ファンで YOSHIKI さんを尊敬していて, 本当は一番ドラムをやりたいんですが, 腱鞘炎になってそろばんが弾けなくなっては困るのでスティックだけ手に持ってエアドラムで我慢しています。まぁ, そのエアドラでさえ腱鞘炎になった経験もありますけどね(笑)。とにかく, 自分はハマりだすと強烈にのめり込んでしまう性格なので。


現在

浅野選手, けいおん!

【ma-.】ほほう, 今現在軽音学部に所属しているとは! まぁ趣味でしょうからそろばんや学業には支障がないということですかね。

 XJAPAN で思い出しましたが, そういや大の AKB ファンだったと思いますが(笑)。


【浅野】あぁ, 最近は全然ですよ。でも, 確かに大学受験期は劇的にハマっていました(笑)。握手会に友達といったことも何回かありましたし。結局, 自分は凝り性というか, 何かにハマると他の事が見えなくなってしまうんですよね。一言で言うと多趣味ですね。


【ma-.】ところで, そろばんの他にピアノ, エレクトーン, 空手, テニス。それら「やっていたこと」の中で, 何故「そろばん」が残ったのでしょう。どういった部分が自分に合っていた, とか, 何か思い当たる節はありますか。


【浅野】他のやっていたことと比較して自分の能力を最大限に活かせる, 自分に向いている分野だと判断したからだと思います。またとにかく自分は負けず嫌い, 何でも 1 番を取らないと気が済まない性格なのでそれを実現できる可能性のある分野はそろばんしかない, そう考えていたと思います。

 あとは何よりも種目別競技の存在が大きいですね。ちなみに種目別競技に関しては自分はパフォーマンスだと考えています。総合と比べると読上げ, フラッシュ(暗算)ってそろばんの経験がない観覧者の方々でもはっきり何をしているかが分かるじゃないですか。とにかく, 自分は小さい頃から目立ちたがり屋だったので答えを合わせて名前を読み上げられ, 表彰台にたつということが快感になっていたんだと思います。もし, 大会に総合競技しかなかったら今頃そろばんを続けていなかったかもしれません。って感じでかなり正直に話してみましたが……引かないでくださいね(笑)。


【ma-.】引くわけないじゃないですか(笑)

 どこの大会も種目別と言えば「読上算」と「読上暗算」, あと「フラッシュ暗算」ばかりですけど, 個人的には「応用計算」とか「開法」とか, はたまた大会毎の独自の競技があっても良いのにな, と思ってます。昔, 札幌市民大会には「特別競技」があったんですよ。全国レベルでは平成 23 年度までの天商大会(全国計算競技大会)にもありましたよね。

 さて, 話を戻しましょうか。浅野君自身, 自分はどんな子供だったと思いますか。


【浅野】先程も言いましたがとにかく負けず嫌い, そして目立ちたがり屋だったと思います。そして周りからは, とにかくユニークだと言われていました。まぁ, あとは臆病, ネガティブ志向が昔から強いですね。大会前日一睡もできなかったりしたことも何度かあります。今回の全日本もそうでした, 負けた自分を頭のどこかでイメージしてしまうんでしょうね。この大会前日の睡眠不足の点に関しては(一條)先生からもいい加減成長しろと言われています。


【ma-.】なるほど。勉強の方はどうだったんでしょうか。


【浅野】まぁ, それなりには。得意なのは数学だと思います, 校内文系では常に模試で学年トップ層にいました。苦手なのはとにかく国語。


【ma-.】えーと, およそ文系とは思えない回答ですけど(笑), なんかこの辺りもそろばんに通じるものを感じますね。

 例えば高校受験とか大学受験とかで, そろばんを一時的にでも辞めた時期はありますか。


【浅野】はい, 高 3 の 9 月の全道大会後から大学受験終了まで通塾していませんでした。その時期はたまに気が向いたら家で少しやってたって感じです。


高校時代

高 1 の頃。読上算優勝。

【ma-.】えー, 辞めた時期があったんですか! ちょっと意外でした。まぁそろばんには触っていたということで厳密には「辞めた」うちには入らないかも知れませんけど。で, 結果的に約半年間辞めていたことになると思いますけど, 最初から「大学受験が終わったら復活」と思ってやめていたのでしょうか。


【浅野】はい, そうです。でも, 辞めるには時期が早すぎた気もしますね。塾で先生や仲間たちと練習したり会話をするのも気晴らしになると思いますし。正直, 受験とはいえ完全に辞めてしまうのは逆効果だったかもしれません。


【ma-.】大学は何故小樽商科大学を選んだのでしょう。素人目に見ると「そろばん」と「商業」を繋げて考えてしまいそうですが。


【浅野】特別な理由はないです(笑)。とりあえず自分の学力で入れる文系大学を道内で選んだだけです。


【ma-.】復活したあと, どの程度の練習で辞めたときの実力まで戻りましたか。


【浅野】復活して最初にやった時, そろばんの弾きに関してはかなり鈍っていましたが, 暗算力はほとんど落ちている感じはしませんでした。スピードも 4, 5 日真面目に練習したらほぼ元通りだったと思います。まぁ, 半年とはいえ自分でも驚きましたけどね。あれだけ練習してなかったのに。ここからは自分の考えですが, 暗算力って一度身に付いてしまえばそう簡単に落ちるものではないと思います, 特に若いうちは。ただ, そろばんの弾きだけは誤魔化せませんね。あれは練習していないとすぐにばれます(笑)。


【ma-.】まぁ「半年だから」ということもあるとは思いますけど, 確かにそろばんを弾くというのは「指先の運動能力」ということですから暗算に比べたら衰えるのは早そうです。私の場合 12 年休んでたので, 暗算もそれはそれは悲惨な状況でしたけどね(笑)

 さて, 話は変わりまして, 先程聞きましたが浦河出身の浅野君っですが, 高校から札幌で一人暮らしを始めましたよね。札幌に住んでみての第一印象はどのようなものでしたか。


【浅野】札幌の学生会館に住んでいました。札幌の第一印象は「広い!」。まず道路が 2 車線あることが不思議な感じというか(笑)。そして「暑い!」。とにかく夏の夜は寝心地が悪かったですね。夏休みに実家に帰ったとき, 浦河の夜が快適すぎて感動したのを覚えています。もちろん, 良い面もたくさんありましたよ。イベントに行きやすいとかマニアックな店が多いとか。


【ma-.】なるほど。そして今や完全に「札幌人」だと思いますけど, ある意味「移住」して良かったと思っていますか。


【浅野】良かったと思ってますよ! 高校でたくさんの友達が出来たことが一番の理由ですね。また, 札幌に来て環境の変化があったことでそろばんのモチベーションが上昇, 実力もかなり伸びましたし, 良いことだらけだったと思います。


【ma-.】そうですね, 札幌に来た時期と全日本への出場開始の時期が一致していますから, 傍から見てもそれは容易に想像できます。


【浅野】前にも言いましたが自分は中学までは学連の選手でした。ですが, 高校進学で札幌に行ってからすぐに全日本に出場したいと考えていたので中 3 の秋ごろに若松彩さんの実家, 釧路の方へお邪魔させていただきまして若松夫妻に開法を教えてもらいました。でも 1 日で覚えるのははさすがに厳しかったのか大した段は取れませんでした。まぁ, 結果的に全日本に出場できたので結果オーライでしたが。もちろん, その後高 1 の冬にちゃんと(全珠連の)十段は取りましたよ。


(注)その 2 でも触れましたが, 「学連」とは「全国珠算学校連盟」のこと。詳しくはこのサイトの「リンク」を参照してください。


【ma-.】実は全国トップレベルの選手が全珠連だけは十段取れないとかありがちだって, 聞いたことがあります。そういった方々は通常種目(乗算, 除算, 見取算)は楽に十段取れるでしょうけど, やはり選択種目の存在が大きいんでしょうね。


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